話の肖像画

マンガ家・永井豪(74)(10)新しいもの、つくりだす気概

大阪芸術大学教授として後進の指導にも当たった =平成21年ごろ
大阪芸術大学教授として後進の指導にも当たった =平成21年ごろ

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《平成17年度から29年度まで大阪芸術大学キャラクター造形学科の教授として、学生を指導した。文化庁メディア芸術祭や各種漫画賞の選考委員、審査員も引き受け、後進の育成に当たってきた》

大学で教えたことはマンガ家としての心がけとか発想法、いかにイメージするかということです。たとえば「山へ行った場合のシミュレーションをしなさい」と課題を出します。歩いて景色をみて、雨に打たれて…そこからどうなるか、過程を想像することが大事なのです。キャラクターを設定したら、描くその時代でどう生かしていくか、糸をつむぐように物語を作るのがマンガを描くということです。

舞台となる場所に行き、体験すればイメージは広がる。マンガ家を目指す人はどちらかというと内にこもりがちな没頭するタイプが多いので、社会に出ていろんな経験をしたほうが作品にも反映されるはずだと思います。もちろん江戸時代には行けないので、どんな生活をしていたか、想像力を働かせることも大事です。京都アニメーション放火事件で、多くの優秀なアニメーターが犠牲になったことがかわいそうで仕方ない。いい作品を作ろうと、コツコツと頑張ってきたのに…。

《マンガを読む愛好者は多いが、マンガ家を目指す人も多い》

雑誌など紙媒体が弱くなっているので若い人は大変かもしれないが、電子書籍などは広がっています。電子媒体だと国内にとどまらず、海外へも発信できる。そう考えれば発表できる媒体は、ぼくがデビューしたころの100倍かもしれない。海外から「アシスタントになりたい」との問い合わせがたまにありますよ。

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