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少女虐待の米富豪 ユニークな教師から転身 生命科学に「異様な関心」

未成年女性への性的虐待の罪で起訴され、勾留中に自殺した米富豪、ジェフリー・エプスタイン被告(66)をめぐり、謎に包まれていた私生活が報道で次々と明らかになっている。ユニークな学校教師からトレーダーとして成功後は、人脈を広げる中で科学者に接近しては、生命に対する異様な考えを語って煙たがられていた。科学分野への関心の裏に、彼は何を秘めていたのか。

教師からトレーダーへ

米誌「ニューヨーカー」(電子版)などによると、エプスタイン被告はもともと、ニューヨークの私立学校で数学や物理の教師を務めていた。同校の卒業生には、米CNNの有名キャスター、アンダーソン・クーパー氏らがいる。

教師時代には、米映画「いまを生きる」でロビン・ウィリアムズが演じた風変わりな熱血教師のようだったという。生徒の父親だったウォールストリートの有名トレーダーに見いだされて大手投資銀行のトレーダーに転身し、その後独立して投資ファンドを立ち上げて成功を収めた。

だが、顧客として名前があがるのは、米女性下着ブランド「ビクトリアズ・シークレット」を運営する「エル・ブランズ」のレスリー・ウェクスナー最高経営責任者(CEO)ぐらいで、その投資行動はほとんど明らかになっていない。

巨額の資産を築いていたのは事実で、米領バージン諸島の裁判所に提出された被告の遺言書類によると、財産は総計約5億7800万ドル(約614億円)。主な資産は次の通りだ。

▽現金 5650万ドル

▽航空機・車・船舶 1855万ドル

▽未公開株・ヘッジファンド 1億9500万ドル

▽ニューヨーク・マンハッタンの居宅 5600万ドル

▽ニューメキシコ州の居宅 1720万ドル

▽フロリダ州・パームビーチの居宅 1240万ドル

▽仏パリの居宅 870万ドル

▽バージン諸島のグレート・セント・ジェームズ島 2250万ドル

▽同諸島のリトル・セント・ジェームズ島 6390万ドル

被告は自殺2日前に遺言書に署名、全財産を信託に預けていた。遺産の相続人については書類で明らかにされておらず、唯一可能性があるのは、きょうだいのマーク・エプスタイン氏だとされている。

被害女性からは損害賠償訴訟が起こされているが、米ブルームバーグ通信(電子版)は、この信託行為によって訴訟に支障が出るとの見方を伝えている。

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