インドネシアのハビビ元大統領が死去 スハルト政権後に就任 東ティモール独立に道筋

 【シンガポール=森浩】スハルト開発独裁政権後にインドネシアの第3代大統領を務めたバハルディン・ユスフ・ハビビ氏が11日、首都ジャカルタの病院で死去した。83歳。AP通信によると、1日から心臓病の治療のため入院していた。

 1936年、オランダ領時代のスラウェシ島生まれ。旧西ドイツ留学後、航空機メーカー、メッサーシュミット社で幹部を務めていたが、74年にスハルト大統領に請われて帰国。研究・技術担当国務相として航空機や兵器の開発などに携わった。

 副大統領を経て、98年5月にスハルト氏が民主化の波に押されて退陣すると、大統領に昇格した。

 在任中は東ティモールの独立を問う住民投票の実施を容認したほか、政治囚釈放や報道への制限の撤廃などを手がけた。99年10月に国権の最高機関だった国民協議会で事実上の不信任を突きつけられ、大統領選への出馬を断念し、退陣した。

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