浪速風

北方領土 独立国の原則貫け

ロシアにこんなジョークがあるという。「さて、ニュースが二つある」「いいニュースから始めてくれ」「誰が、いいニュースがあるっていったんだ?」(菅野沙織「ジョークで読むロシア」)。かの国の国情を表していそうだが、今回の日露首脳会談はいい知らせと受け止められたのでは。

▶プーチン大統領は北方領土で譲歩する姿勢を見せなかった。それどころか会談に先立ち、色丹(しこたん)島に建設された水産物加工場の稼働式典にビデオ中継で参加した。北方四島はロシア領だと見せつけているようだ。ロシアではこの夏、経済低迷や政権への倦怠(けんたい)感を背景にデモが頻発した。強い姿勢を見せることで求心力を維持しようというのだろう。

▶日本もなめられたものだ。そもそも日本の固有領土をロシアが不法占拠しているのに、2島先行返還という妥協姿勢を見せたのがいけなかった。主権の侵害には毅然(きぜん)とした態度で臨み続ける。その方が独立国として筋が通っている。