妻の支えで復活、柔道世界王者に…丸山城志郎、阿部一二三の争いから目が離せない

 昨年8月のジャカルタ・アジア大会では、失意を味わった。リオデジャネイロ五輪66キロ級銀メダルの安バウル(韓国)との決勝で相手の出方をうかがい、気を抜いた瞬間に背負い投げで一本負けを喫した。代表争いで先を行く阿部の背中が遠のいたと感じ、「柔道人生が終わった」と引退の2文字が頭をよぎった。

 しかし、約5年の交際を経て昨年10月に結婚した妻のクルミさん(23)が、丸山の気持ちを前向きに変えた。出会いは福岡・沖学園高時代。柔道部の後輩の姉だった。アスリートフードマイスターの資格を取って栄養を考えた食事を作るなど、懸命に支えてくれる妻の姿に「守るべき家族のためにも、自分の柔道をもう一度貫く」と誓った。釣り手と引き手を持ち、技で一本を取る理想の「美しい柔道」を見つめ直し、再出発。結果的に、結婚後は無敗が続いている。

 大学2年の試合で左膝前十字靱帯を断裂し、リオ五輪出場を逃した。復帰までの約1年半の間に、新鋭の阿部が台頭。しかし、今春の全日本選抜体重別選手権決勝で阿部を破り、光明が差した。2人そろって出場した今回の世界選手権で阿部の3連覇を阻止。「東京五輪で金メダルを取って人生を変える」との決意は、まったく揺らがない。