アップル提訴の島野製作所 「米で裁判」無効も請求は棄却

アイフォーンなどを販売する米デジタル家電大手「アップル」に、部品下請け「島野製作所」(東京都荒川区)が、不当な値下げやリベート要求があったなどとして、約100億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が4日、東京地裁であった。品田幸男裁判長は、国際間のトラブルをどちらの国の法律で解決するかを定めた「法の適用に関する通則法」に照らし、米カリフォルニア州の法律が適用されると判断し、島野製作所側の請求を棄却した。

 損害賠償請求の審理に先立ち、訴訟では「どの国の裁判所で審理するか」という「国際裁判管轄」が争われた。両社は契約時に「紛争は(アップル本社がある)米カリフォルニア州の裁判所で解決する」と合意していたため、日本の裁判所で審理できるかが争点となったが、地裁は平成28年2月、中間判決で「合意が成立する法的条件を満たしておらず無効」と判断、国内で審理することを決めていた。国際的な裁判管轄をめぐる企業間合意を無効とした判断は初めてだった。

 4日の判決で、品田裁判長は「原告はカリフォルニア州法に基づく主張立証をしないから、不法行為の成立は認められない」と指摘した。

 判決を受け、島野製作所は「現段階でコメントは控えたい」としている。

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