【迫る10%】(3)消費税は「鬼門」、政争と直結(2/3ページ) - 産経ニュース

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迫る10%

(3)消費税は「鬼門」、政争と直結

 後続の首相は、この失敗を教訓とした。

 「大型間接税は導入しない。この顔が嘘をつく顔に見えますか」

 61年夏の衆参同日選で、首相の中曽根康弘はこう公約して与党を圧勝に導いた。中曽根は強い政権基盤を武器に、間接税で消費税と似た仕組みの「売上税」の導入法案を翌年提出。しかし「嘘つき」との批判をかわせず、自民は直後の統一地方選で大敗した。

 三度目の正直を成し遂げた首相は竹下登だった。激しい政争を勝ち抜き盤石な基盤を整えただけに、竹下は得意の「根回し力」も駆使して就任直後から税制改革に取り組んだ。

 法案を採決する63年12月23日の参院本会議は野党の牛歩戦術が一昼夜続き、可決は翌24日の夕方だった。

 「成立時、竹下首相は目を潤ませていた。自民党の山中貞則税調会長も、涙がこぼれないようずっと上を向いていた」。参院予算委員会の審議で、竹下とともに答弁を担った野田はこう述懐する。大平の提唱から10年の月日が流れていた。

 だが、リクルート事件の疑惑も絡んで内閣支持率は10%を割り込み、竹下は税導入からわずか2カ月後に退陣を余儀なくされた。

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 消費税は時の政権の浮沈に左右されてきた。平成9年4月、首相の橋本龍太郎は5%へ引き上げを断行したが、同じ時期に金融危機が襲った。翌年7月の参院選で自民は大敗し、橋本は退陣。橋本は消費増税を生涯悔いていたといわれる。