じわりサウナブーム 「感度高い人」集まる 

テレビ東京系ドラマ「サ道」の一場面(c)「サ道」製作委員会 
テレビ東京系ドラマ「サ道」の一場面(c)「サ道」製作委員会 

 サウナが舞台のテレビドラマや漫画が相次いで登場している。「暑苦しい」「おじさんが入るもの」…。ネガティブなイメージも根強いサウナが、作品の主要テーマになるのは異例のことだ。背景には、サウナの爽快感やリラックス効果に親しむ愛好者「サウナー」の増加と、それに伴うサウナ文化の広がりがあるようだ。

注目される「サ道」

 「この5年ほどでサウナの潮目が変わった。今は情報感度の高い人やアーティスト、芸能人らの間で、サウナをカルチャーとして捉える人が増えている」

 日本サウナ・スパ協会(東京都千代田区)の若林幹夫理事・事務局長は、サウナが舞台の作品が増えている理由をこう分析する。

 特に話題を集めているのが、7月放送開始のテレビ東京系ドラマ「サ道」だ。全国各地の実在のサウナを舞台に、人間ドラマを描く内容。キャストは主演の原田泰造さんをはじめ、実際のサウナーを起用した。内容は、裸のおじさんたちがダラダラと話をしたり、リラックスする姿を映したシーンばかり。恋愛要素もなく、異色のドラマといえる。

 テレ東の五箇(ごか)公貴プロデューサーは「ストレスを抱えがちな現代人にとって、サウナはスマートにストレスを解消できる手段。入浴中はデジタル情報を遮断するため、自分自身に向き合う貴重な時間でもある」とサウナ人気の理由を指摘。「各店のこだわりや地方にある隠れた名店の存在など、サウナにはドラマとして成立するだけの深さがある」と語る。

 サウナを描いた漫画も相次いで刊行されている。まんしゅうきつこ(現まんきつ)さんの「湯遊ワンダーランド」は、女性視点から見た銭湯のサウナが主な舞台。7月にはサウナに魅了された女性が主人公の「お熱いのがお好き?」(大町テラスさん作)が発売され、話題を呼んでいる。

愛好者1千万人

 サウナ人気の鍵は、サウナと水風呂の入浴と休憩を繰り返す「交互浴」だ。自律神経の動きが活発になり、爽快感やリフレッシュ効果がある。仕事モードの切り替えにも効果があると口コミで広がり、若手社会人の間でもファンを広げている。同協会によると、サウナ愛好者数は推定1千万人にのぼるという。

 近年は、サウナストーンにアロマ水をかけて蒸気を発生させる「ロウリュ」や、野外にテント型のサウナを設置して楽しむ「テントサウナ」など、従来とは異なるサウナ文化がじわじわと普及。女性ファンも増えてきている。

 若林さんは「入浴時は自身の体調を見極める必要がある」と注意を呼びかけた上で、「一過性のブームに終わることなく、魅力が根付いてくれれば」と期待を寄せている。       

(文化部 本間英士)

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