朝晴れエッセー

素のままの私で・9月2日

去年の暮れからの取るに足らない悩みをすっきりさせたいと思っていた矢先に、姉妹で食事をすることになりました。その際、姉たちに、会ってもびっくりしないでね、と言っておきました。

当日、この夏一番のおしゃれをしてロビーで待っていると、姉の姿が見えたので手を振って合図をしました。「えっ、あ、あー」といった仕草(しぐさ)で近付くなり「わあー、いいわ」と言ってくれました。その一言で今までのもやもやの半分が消え、しばらくして来た妹が「映画関係の人が姉さんの横にいるのかなと思った」と姉に言ったときに残りの半分の悩みも消え去りました。

自分の心は99パーセント決まっているのに、残りの1%の後押しが欲しかったのです。良かった。これで決まりです。姉妹だから本当のことを言ってくれると信じて、真っ白な頭のままホテルまでの一歩を踏み出したのです。

振り返れば三十数年、髪を染めTPOに合わせてウイッグを使い分けていましたので、息子たちは「若く見える」と言っていました。ところが昨年の暮れに後期高齢者手続きの書類が届いたとたん、いっぺんに老人になった気がして、もう白髪染めやウイッグをつけるのも止めようかなどの葛藤(かっとう)の繰り返しに「しょうもないことで悩んでいる」と夫に笑われること9カ月。

しかし今日、姉や妹から「すごく似合っている」とお墨付きをもらったからには、本日、ただ今より白髪頭に自信を持ち後期高齢者として堂々と胸を張って暮らすことを決意しました。

橘 里美 75 兵庫県伊丹市