【迫る10%】(1)軽減税率「複雑すぎる」 消費増税まで1カ月(2/3ページ) - 産経ニュース

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迫る10%

(1)軽減税率「複雑すぎる」 消費増税まで1カ月

 だが、店側も「面倒くさい」「分からない」で済まされない。どんな価格であれイートイン用に販売した商品は10%分の消費税額を税務署へ申告し、正確に納税する義務があるからだ。

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 「みりんや料理酒は酒類なので10%だが、みりん風調味料は8%」「おもちゃ付きお菓子は、セットでの販売価格が税抜き1万円以下で、食品の価格が全体の3分の2以上なら軽減税率の対象となり8%」-。これらは国税庁が公表している「Q&A集」のごく一部だ。

 「覚えられる頭脳ありません。時間ありません」。軽減税率の事例の多さに対して、インターネット上でも悲鳴が上がる。小売業界の関係者も「現場でパートやアルバイトが説明できるだろうか」と心配顔だ。

 国税庁は制度の周知に懸命だ。税務署や商工会議所などを通じ、これまで全国で約6万回の説明会を開き「申告ガイド」を約850万の事業者に送付した。

 税理士の危機感も強い。「うちの顧客を困らせるわけにはいかない」。東京都中央区の税理士、大西康記(こうき)は資料を手作りし、顧問を務める会社に制度の仕組みや帳簿の記帳方法などを説明して回っている。

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 初めて導入される軽減税率だが、海外では珍しい制度ではない。財務省によると、1月現在で、英国の付加価値税(消費税)の標準税率が20%で食品が原則0%、ドイツは標準税率が19%で食品が原則7%-となっている。

 「日本も平成元年に消費税を導入したとき『けしからん』という怒りの声が起きた。ただ、時間がたつと浸透した」。国税庁幹部はこう語り、今回の増税と軽減税率も時間とともに定着するのではと期待する。