「個人情報どう使われた?」就活生に広がる不信 リクナビ内定辞退予測問題、データビジネスにも影響

 謝罪会見で「学生視点の欠如」と同社の小林大三社長は説明した。ある私立大学の進路担当者は「学生の立場に立ち、再発防止に努めてほしい」と求めた。

 学生にとって、怒りは大きい。リクナビは就活生にとって頼らざるを得ない便利なサイトであるがゆえ、同社はそうした事情につけ込んだとみなされているからだ。大学4年の女性(23)は「『合否判定には活用していない』と言われても信じられない。情報がどう使われていたのか、ちゃんと説明してほしい」と訴える。

 個人情報保護法に詳しい新潟大の鈴木正朝教授は「丁寧に利用目的を書いて同意を得られたからといって内定辞退率予測ということをしてもいいのかという問題だ。就職や結婚など、重要な自己決定の場で、AIなどで情報を分析することが許されるのか」と指摘する。

 データビジネスは世界の趨勢さえも左右する成長産業だけに、この問題が投げかける意義は大きい。鈴木教授は、個人情報のデータに関するルールを明確にした法改正の必要性を強調した上で、「企業が萎縮しないためにも産業振興につながるようにしなければ、日本は他国に後れをとるだろう」と訴えた。

 リクルートキャリアが内定辞退率を販売していた問題は、経営戦略上重要なデータの活用と、個人情報の保護を両立させるという課題を企業に突きつけた。採用現場が売り手市場となる中、企業が人材確保に手段を選ばなくなり、情報提供企業との関係がゆがんでいるという指摘も出ている。

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