ラピート亀裂は計8カ所に 通勤電車でも過去に10カ所以上 台車検査見直し求める声も

 これに対し、京阪電鉄や阪急電鉄、阪神電鉄、近鉄電車では同時期、国交省へ報告が求められる10センチ以上の亀裂が一度も見つかっていないという。

 なぜ亀裂は生じるのか。日本大の綱島均教授(鉄道工学)は「基本的に台車は亀裂が入らないようになっている」と説明する。一般的に台車の中でもモーター付近は負担が大きく、過度に負担がかからないように配慮されているという。ただ、綱島教授は「設計時に比べて経年劣化など、取り巻く状況が変化するため、モーター付近にかかる負荷が変わっている可能性もある」とも指摘する。

 一方、工学院大の高木亮教授(鉄道システム)は「台車はまれにひびが入る可能性のある性質のもの。だからこそ定期検査をし、問題があればすぐ修繕しなければならない」と語る。さらに、亀裂の入った新日鉄住金(現・日本製鉄)製の台車は他社でも使われているケースが多いとし、「細微なひびが日常的に見つかる類の現象なのか分からないが、簡易検査で済ませたりしていなかったかなど、検査方法を見直すべきだ」とした。(江森梓、桑村朋)

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