【ラグビー通信】常にトライへ 「獲得型メンタル」が日本代表の躍進を後押し(1/2ページ) - 産経ニュース

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常にトライへ 「獲得型メンタル」が日本代表の躍進を後押し

【ラグビー通信】常にトライへ 「獲得型メンタル」が日本代表の躍進を後押し
【ラグビー通信】常にトライへ 「獲得型メンタル」が日本代表の躍進を後押し
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 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の開幕まで1カ月を切った。29日には日本代表のW杯登録メンバー31人が発表され、来月6日には埼玉・熊谷ラグビー場で、優勝候補の一角、南アフリカとの壮行試合も控えるなど、待ったなしで世界最高峰の舞台がやってくる。

 今回は、ルールが分からなくてもラグビーを楽しめる日本代表の強さや観戦ポイントを、慶応大スポーツ医学研究センター研究員でスポーツ心理学博士の布施努氏(56)に聞いた。

 高校ラグビーの強豪校、桐蔭学園(神奈川)などで選手らのメンタル指導を行っている布施氏は、野球やテニスなど数々のスポーツをみてきた中でも、特にラグビーは「選手の心理状態でパフォーマンスが大きく変わる競技」と分析。たった一つのプレーで試合の流れが傾きやすいという特徴にもつながっていると指摘する。

 布施氏によると、瞬時の判断が連続的に求められるラグビー選手は主に、前後半計80分間のプレー中、相手の隙をどんどん見つけてトライを狙っていく「獲得型」の思考と、ボールを取り損ねるといった失敗(ミス)をしたくない「防御型」の思考という2つの思考回路がある。それは万国共通で、選手が防御型の心理状態になってしまうと、世界トップ級のラガーマンでも動き(判断)が鈍くなるという。

 そんな中で「80分間、獲得型のメンタルを保てているチーム」(布施氏)というのが我らが日本代表だ。

 日本は速いパス回しを生かした攻撃が強みだが、強靱な肉体を誇る強豪相手には、どうしても攻め込まれる場面もが多くなる。自陣ゴール前では小さなミスが命取りとなるため、一般的にはメンタル面で「防御型」になりがち。だが、そうならないのが日本代表の強み。布施氏は「劣勢場面でも『隙があったら(点を)取りに行くぞ!』という意識が徹底されているのでは」と印象を語る。

 思い出されるのが、前回の2015年イングランド大会の初戦の南アフリカ戦だ。大一番で屈強な相手と互角に渡り合い、29-32で迎えた試合終盤。日本はラストプレーで、引き分けを狙う安全策のPGではなく、勝ちにいくためのスクラムを選択。結果、34-32で破る劇的な逆転勝利を挙げた。

 当時の心境について、リーチ・マイケル主将は「選択肢の中にまず同点はないと思っていた。チャレンジをしなければ多分、一生後悔する。自分一人だけの判断じゃなくて、みんながトライを取りに行こうとなった」と明かしている。