STU48が本格船出「一丸でがんばる」 船の劇場も完成 拠点は瀬戸内海

STU48が本格船出「一丸でがんばる」 船の劇場も完成 拠点は瀬戸内海
STU48が本格船出「一丸でがんばる」 船の劇場も完成 拠点は瀬戸内海
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 客船を改造した専用の劇場が完成し、いよいよ活動を本格化させたアイドルグループ、STU48。新曲も発表して張り切るグループを代表してグループのまとめ役であるキャプテンの岡田奈々(21)と新曲でセンター(パフォーマンスの中心役)を務める瀧野由美子(21)が、「全員一丸となってがんばる」と気合を語る。     

(文化部 石井健)

専用劇場は客船

 STU48は地域で活動するAKB48の姉妹グループの1つとして平成29年に発足。拠点は、瀬戸内海に接する広島、山口、岡山、香川、愛媛、徳島、兵庫の7県にわたる。

 姉妹グループは、それぞれ自分たちの公演のための専用劇場をもつが、拠点が複数県にまたがる唯一の「広域活動グループ」であるSTU48は、客船(850トン、乗員乗客約300人)を改造して専用の劇場船「STU48号」とした。今年4月16日に就航。広島港を母港に、各県の港に停泊するなどして公演していく。

 派生グループの中でも、ひときわユニークな存在なのだ。

全員一丸で乗船

 専用の劇場が完成したことで、グループの活動もいよいよ本格化する。3曲目のシングルである新曲「大好きな人」も出した。AKB48グループは楽曲の録音に参加するメンバーを「選抜」するが、同曲は「全員選抜」として録音時のメンバー全員である28人(現在は27人)が参加した。

 「劇場船が出航し、全員一丸となってがんばるぞっていう思いを込めて、全員選抜になったのだと思います」と説明するのは、キャプテンの岡田だ。

 「録音からミュージックビデオの撮影まで参加することで、メンバー全員に『STU48の一員なんだ』という実感がわいていると思います」

 24年にAKB48のオーディションに合格した岡田は、AKB48のメンバーでもある。サラリーマンなら、本社勤務で支社の責任者も兼任している立場。東京と瀬戸内を行ったり来たりだ。

 ちなみに、奈々は本名。誕生日が7日だったことに加え、女優の岡田奈々(60)にあやかって母親がつけたのだろうという。なお、女優の岡田とは、まだ会ったことがない。

瀬戸内っ子

 パフォーマンスの中心役を担う「センター」は瀧野。デビューから3曲連続のセンター抜擢(ばってき)だ。

 「最初のシングルのときほどの重圧は感じません。あのころに比べてメンバー間の精神的な距離が縮まり、素直に頼りあえるようになったからです」と瀧野は、グループの結束力が高まっていることを強調する。

 瀧野は、29年にオーディションに合格してSTU48に入った。

 神奈川県出身で東京の仕事を兼任するキャプテンの岡田に対し、小学3年生から山口県に暮らし、広島の大学に進学した瀧野は、瀬戸内っ子代表のような存在だが、山口に落ち着くまでは転勤族で転校を繰り返した。岡田は「人付き合いのうまさは、その経験が生きているからでは」と評する。

覚悟

 「地元愛がひときわ強い」。ほかのAKB48派生グループとSTU48の最大の違いを問うと、岡田はそう断言する。「そこを絶対に大事にしたい。例えば、宣伝用映像。他のグループと違い、私たちは必ず瀬戸内で撮影します」

 また、岡田によると「STU48は好調だね」と声をかけられることが増えた。「だからこそ私たちは、謙虚な気持ちでいないといけない。そうでないと、好調は長く続かない。AKB48の活動を通じて学んだ」と岡田は、表情を引き締める。

 28年にAKB48の一員として行き詰まりを感じたことがあり、そのとき「何かを変えないと」と髪を切った。思い切りがいいのだ。29年にSTU48のキャプテンを拝命した際は、「絶対にいいグループにするぞ」と覚悟を決めた。

 「いいグループになる方法に正解はありません。まずは、私がAKB48で培ってきたものをメンバーに伝えたい」と、サラリーマンの管理職のような覚悟で職務にあたっている。

     ◇

 AKB48姉妹グループ AKB48には、東京以外の各地を拠点とする以下のような姉妹グループが存在する。カッコ内は発足年、拠点、運営会社。

 SKE48(平成20年、名古屋市、ゼスト)

 NMB48(22年、大阪市、KYORAKU吉本.ホールディングス)

 HKT48(23年、福岡市、AKS)

 NGT48(27年、新潟市、AKS)

 STU48(29年、瀬戸内7県、STU)

 その他インドネシア、タイ、台湾など海外でも姉妹グループを結成している。

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