検察、遠隔通訳システム導入へ 全国237カ所、外国人増加に対応

 在留外国人や訪日観光客が増加する中、事件に関与したり巻き込まれたりした外国人が検察で事情聴取や取り調べを受ける際に必要な通訳人を効率よく確保するため、全国の各地検と支部計237カ所で来年度から、遠隔通訳システムの運用を始めることが28日、関係者への取材で分かった。法務省はシステム配備費として今年度予算に計約5億円を計上し、捜査現場で通訳人が不足する事態の回避を目指す。

 検察では事件の容疑者だけでなく、被害者や目撃者など参考人として日本語の話せない外国人から事情聴取や取り調べをする場合、各地検ごとにあらかじめ登録された日本人や外国人の通訳人に立ち会いを依頼する。

 在留外国人や訪日観光客の増加を背景に、各地検や支部での通訳人依頼件数は「全国的に右肩上がりで今後も変わらない」(捜査関係者)とされている。

 各地検は通訳人の登録人数を明らかにしていないが、全国で数千人が登録されているとみられる。しかし、依頼先が偏ったり、高齢化が進んだりしており、少数言語の通訳人は近隣の地検に協力を求める状況も生じているという。

 このため東京五輪・パラリンピックの開催前の今年度中に、ほぼ全ての地検・支部計237カ所にテレビ電話による通信システム機器を配備。登録通訳人のデータベース化を進め、遠く離れた地検・支部にいてもテレビ電話を通じて通訳できるようにすることで、通訳人を容易に確保できる態勢を整える。

 さらに東京で年1回だった通訳研修を来年度から全国8カ所で年数回に増やし、質の向上も図る。検察関係者は「同じ地域での通訳人確保を避けることで、プライバシー保護をより徹底できるなど導入のメリットは大きい」と話した。

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