リコーとJAXA、360度カメラを共同開発

リコーとJAXA、360度カメラを共同開発
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 リコーは28日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と、全方位を一度に撮影できる360度カメラを共同開発したと発表した。9月11日に宇宙ステーション補給機「こうのとり」8号機で宇宙へ打ち上げる。リコーでは、開発で得られた知見や技術を産業向けビジネスなどに役立てたい考えだ。

 同カメラは、リコーが一般販売している360度カメラ「THETA(シータ)S」をベースに開発した。過酷な宇宙空間での使用に耐えるよう、放射線や温度、振動などを考慮しつつソフトウエアを書き換えたほか、ボディーの素材にアルミニウム合金を採用。民生品と同じく動画撮影にも対応した。リコーによると、宇宙で使われる360度カメラとしては世界最小という。

 打ち上げ後は国際宇宙ステーション(ISS)の日本の実験棟「きぼう」で、小型衛星光通信実験装置「SOLISS(ソリス)」の動作監視に使う。また地球を撮影するなど、それ以外の用途も検討していく方針。リコーの山下良則社長は28日の会見で、「(これまで培った)光学技術とデジタル画像処理技術を応用し、これまでにない価値を提供する」と話し、今後も宇宙開発や科学の発展に貢献していく考えを強調した。

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