丸山、精神力で金 内股磨き、阿部乗り越える

丸山、精神力で金 内股磨き、阿部乗り越える
丸山、精神力で金 内股磨き、阿部乗り越える
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 大歓声に沸く会場で、試合中はほとんど表情を変えなかった男が両手でガッツポーズをつくって胸を張った。初出場優勝。遅咲きの26歳は「今日だけはうれしさをかみしめたい」と酔いしれた。

 男子66キロ級の丸山に最大の試練が訪れたのは阿部一との準決勝だった。試合序盤に右膝を負傷。足を引きずるしぐさからは試合続行も危ぶまれた。「勝ちたい。それだけだった」。五輪代表争いで一歩も引かないという強靱な精神力だけで持ちこたえた。

 阿部が昨夏に2連覇を果たす直前のアジア大会で自身は頂点を逃した。痛恨の敗戦後、「相手に合わせるのではなく、自分の柔道をしよう」と腹をくくった。天理大の穴井隆将監督が「日本刀」と評する正統派の柔道に磨きをかけ、武器の内股や巴投げを駆使した一本を追い求めた。

 昨年10月に結婚し、食事面でのサポートにも恵まれて快進撃がスタート。阿部に2連勝し、国内外で4連続優勝と存在感を高めた。

 絶体絶命のピンチを乗り越えてライバルを倒し、患部をテーピングで固め、痛み止めを飲んで出場した決勝を制してつかんだ世界王者。五輪代表へ大前進し、柔道家としての株も上げた。(田中充)