男子60キロ級、永山が高藤倒して意地の銅メダル 世界柔道

【世界柔道2019】<男子60キロ級> 銅メダルを獲得も悔しそうな表情の永山竜樹(右)=25日、日本武道館(桐山弘太撮影)
【世界柔道2019】<男子60キロ級> 銅メダルを獲得も悔しそうな表情の永山竜樹(右)=25日、日本武道館(桐山弘太撮影)

 25日に行われた柔道の世界選手権男子60キロ級で、永山竜樹(了徳寺大職)は高藤直寿(パーク24)を3位決定戦で破り、銅メダルを獲得した。

 ライバルを倒し、東京五輪代表に望みをつなぐ試合終了間際の大逆転劇だった。

 男子60キロ級の3位決定戦。先に追い詰められたのは残り26秒で技ありを奪われた永山だった。「もう無理かも」。しかし、それ以上に高藤の集中力は乱れていた。場外際でうつぶせの高藤が試合終了の時計を気にして「油断していた」という残り2秒。永山が「ダメ元」と打ち明ける帯を持っての返し技でポイントが並んだ。

 そのまま寝技に持ち込み、合わせ技での一本勝ち。過去2勝2敗のライバルに昨年の準決勝で敗れた雪辱を果たした。

 意地の銅メダルにも笑顔はない。待ちわびた決勝での直接対決ではなかったからだ。3連覇を狙う高藤が準々決勝で敗れる波乱。永山に代表争いで巻き返す絶好機が訪れたが、準決勝で敗れて生かせなかった。

 それでも、「勝たないと五輪はなかった」と背水の覚悟で戦った直接対決を取ったことは、せめてもの収穫。「ギリギリ次につながった」と代表争いに踏みとどまった。(田中充)

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