フェイントを相手コートに沈めると、両手を握りしめて喜んだ。バドミントンの世界選手権女子ダブルスで永原、松本組が日本勢初となる2連覇を達成。永原は「まさか2連覇できると思っていなかったので、うれしい気持ちです」と頬を緩めた。昨年と同じ福島、広田組との日本勢対決を制し、世界ランキング1位の実力を示した。
攻撃力が光った。身長170センチの永原、177センチの松本は次々に強打を繰り出し、相手コートに突き刺した。第1ゲームを21-11で奪い、第2ゲームは20-22で失った。互いの意地がぶつかりシーソーゲームとなった第3ゲームでも、強打を放ち続けた。「最後の1点を取るのがいかに難しいか実感した」と永原。マッチポイントを奪い合う展開から23-21で勝ちきった。
前回は国内4番手から初出場初優勝を果たした。今回は世界1位で戻ってきた。大きく立場が変わった中で「挑戦者」を貫いた。永原が「初心を忘れずに自分の力を信じたい」と臨んだ大舞台。見事に第1シードの重圧をはねのけた。
結成6年目。2016年リオデジャネイロ五輪に向けては、出場権をかけた五輪レースの存在さえ知らなかったという。急成長を遂げ、見据えるのは「東京五輪での金メダル」。いまやレースの主役を担おうとしている。世界1位の挑戦者は、歩みを止めない。(久保まりな)