朝晴れエッセー

新しい朝が来た、希望の朝だ・8月24日

出席カードを胸にぶら下げた子供たちの中でラジオの声に合わせて歌っている子はいないが、やっときた遅い夏にここぞとばかりに鳴くニイニイゼミの声がせわしく神社に響く。そういえば私が子供のころも歌っている子はいなかったな。

ラジオ体操が始まり、前で指示する6年生の動きに合わせて皆が黙々と、体を動かす。子供会や自治会の役員さん、近所に住む早起きの高齢者、子供に付き添って来ている保護者など、ときには大人の人数が子供の人数より多いなんてこともあるようだ。それでも、高齢者も、現役のパパママもみんな、子供たちと同じ動きができる。

もはや夏の風物詩となり、さすが90年の歴史をもつラジオ体操は思い出の中でも生きている。幼なじみと一緒にやった、学校の体育の時間にやった、職場の朝のミーティングでやったなど。私も教員時代は「ほら、間違ってるよ、左からね。前に出ているお手本の人は右からしなきゃ」など、運動会前は口うるさく指導したものだ。

今となっては左が先だろうが踵(かかと)が上がっていようがいまいがどうでもよい。私自身もう跳躍がかったるいし、中腰の姿勢もつらい。でも青い空を抱ける爽快感と天然のビタミンDを享受しているという満足感のために参加している。

ハンコを押してもらって笑顔で帰っていく子供たちの長くのびた影が、これから始まる一日の長い時間を表している。「今日も一日楽しい有意義な夏休みを満喫してね」と、夏休みロスの元センセイは願っています。

那須野美佐子(69) さいたま市西区