浪速風

地蔵盆のお地蔵さんに新学期の加護を願う

「八月の最後の週末に地蔵盆がなければ、ほかの地方の小学生たちは、夏休みがもうすぐ終わってしまう憂(う)さをいったいどうやって晴らすんだろう」。京都出身の芥川賞作家、綿矢りささんが、短編「トイレの懺悔(ざんげ)室」でそんなことを書いていた。関西を中心に23、24日頃行われる地蔵盆は子供のお祭りだ

▶平安時代以降、盛んになった地蔵菩薩信仰に基づく。お地蔵さんは子供を助けてくれる仏様だ。かつてはあちこちに小さなほこらがあって、子供たちを見守ってくれる存在だった。明治の廃仏毀釈(きしゃく)や都市の近代化でしだいに姿を消してきたのである 

▶数年前、京都で取材した。祭りは掃除やお飾りなど手間がかかる。そのおかげで、マンションが増え互いの顔が見えにくい住民同士につながりができるのだと。ならばもう一つ、仏の力をお借りしたい。新学期、学校に行きたくない子に行く勇気、もしくは行かない勇気を。大人も学校も、どうもあてにならない。