過去最高27円上げで時給790円 山形地方最低賃金審

27円という過去最高の引き上げ額で山形労働局の河西直人局長に答申する山形地方最低賃金審議会の山上朗会長(右)=21日、山形市(柏崎幸三撮影)
27円という過去最高の引き上げ額で山形労働局の河西直人局長に答申する山形地方最低賃金審議会の山上朗会長(右)=21日、山形市(柏崎幸三撮影)

 山形地方最低賃金審議会(山上朗会長)は21日、第4回審議会を開き、令和元年度の県の最低賃金を現行の時間額763円から27円引き上げ、790円とすることを決め、山形労働局の河西直人局長に答申した。引き上げ額27円は過去最高、10月1日から適用される。

 第3回審議会で、最低賃金額を現行から27円引き上げ790円とする答申が出された。山形県労働組合総連合と山形県医療労働組合連合会は「790円では月額で11万円余り。人間らしい生活をするにはきわめて不十分」として、最低賃金の地域間格差の解消と全国一律最低賃金制を求め、生計維持にふさわしい額に引き上げを求める異議申出書を提出した。

 この日の審議では、労働者代表委員は「異議(申出書)は却下」、使用者代表委員は「(答申の)決定を尊重する」、公益代表委員は「(答申の)結論を変える必要はない」などで一致、答申通りに引き上げることを決めた。

 山上会長は「地域間格差は当然あり、格差解消の方法を考えていかないといけないが、われわれの力の及ぶ所ではない」と述べた。一方県労連の勝見忍議長は「予想していた結果で残念。地域間格差を是正していける運動を続け、大幅引き上げを実現していきたい」と述べた。

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