台湾へのF16V売却を米議会に正式通知 国務省「地域の平和と安定促進」

8月中旬、台北で開かれた展示会に登場したF16Vの模型。燃料タンクを増設した胴体背部の膨らみが特徴(台湾・国防部提供)
8月中旬、台北で開かれた展示会に登場したF16Vの模型。燃料タンクを増設した胴体背部の膨らみが特徴(台湾・国防部提供)

 【ワシントン=黒瀬悦成】米国務省は20日、台湾にF16V戦闘機66機を売却することを議会に正式通知した。関連装備や部品を含めた売却総額は80億ドル(約8500億円)で、米台間の武器売買としては最大規模。国務省当局者は「米台の安全保障協力は、台湾海峡両岸と地域の平和と安定を促進させる」と述べ、売却の意義を強調した。

 F16Vの正式な型式はブロック70/72。レーダーや電子装備を強化し、F22やF35といった第5世代戦闘機との相互運用性も向上しているとされる。台湾の蔡英文政権は今年2月、老朽化が進む台湾空軍のF5やミラージュ戦闘機の後継機として66機のF16Vを供与するようトランプ政権に要請していた。

 国務省は声明で、今回の売却により台湾の防空能力と、米国との共同作戦能力が高まると指摘。売却を実施することで地域の軍事的バランスが変化することはないとも強調した。

 ポンペオ国務長官はFOXニュースの報道番組で、今回の売却について「これまでの米国の(中国)政策に一致している」とし、米国が台湾の防衛能力の維持を支援することを明記した台湾関係法に基づく正当な措置であると訴えた。

 国務省当局者はまた、1972年の米中共同声明や台湾関係法に基づく、「一つの中国」政策をめぐる従来の米国の立場に変更はないと語った。

会員限定記事会員サービス詳細