「飲料売店少ない」熱中症憂慮、花園ラグビー場 W杯組織委に意見書

日本対トンガ戦の来場者で混雑する場内設置の売店周辺=3日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場(読者提供)
日本対トンガ戦の来場者で混雑する場内設置の売店周辺=3日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場(読者提供)

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の会場の一つ、花園ラグビー場を所有する大阪府東大阪市が、W杯開催時に来場者が熱中症になる危険性があるとして、W杯を運営する大会組織委員会に飲料を販売する売店の増設などを求める意見書を送ったことが21日、関係者への取材で分かった。同ラグビー場で3日に行われた日本対トンガ戦の際に売店で長蛇の列が発生し、苦情が寄せられたことを受けた措置。組織委の担当者は「観客の事故を防ぐためにも、対策をしっかり考えたい」としている。

 意見書はW杯開幕まで1カ月の20日付。組織委の責任担当者あてに送った。熱中症対策のため給水場所の確保や飲料販売の充実に加え、スムーズに購入できる環境整備などを要請。「W杯開催に向け、来場者の安全性を確保する観点から改善対策に努めていただきたい」としている。

 きっかけは、パシフィック・ネーションズカップ(PNC)の日本対トンガ戦だ。当日は安全対策を目的に会場への飲食物の持ち込みが禁止されており、多くの来場者が知らずに持ち込んだペットボトルなどを入り口で回収された。

 ただ、この日の東大阪市の最高気温は30度超。場内では「熱中症予防のため、こまめな水分補給を」とのアナウンスが流れたが、試合開始前やハーフタイムには、売店周辺は飲食物を買い求める人で混雑した。市花園ラグビーワールドカップ2019推進室によると、観戦した来場者から「売店が少なすぎる」「混雑がひどく買うのをやめた」といった苦情が多数寄せられた。

 7月27日にPNCの日本対フィジー戦が行われた釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアム(岩手県釜石市)でも、売店周辺は混雑。買わずにあきらめた人もいたといい、この日は熱中症などで8人が搬送されている。

 W杯でも飲食物の持ち込みは禁止されている。東大阪市花園ラグビーワールドカップ2019推進室の栗橋秀樹室長は「前哨戦のPNCをW杯本番に向けた試金石とみていた」とし、「W杯が開催される9月、10月も暑さが心配。苦情を受け、組織委に意見書を出すことにした」と説明。改善策としては売店の場所案内の徹底や動線の確保、売り子の増員などをあげた。

 組織委は釜石や花園の日本戦と9月6日の埼玉・熊谷ラグビー場の対南アフリカ戦を、W杯の運営に向けたテスト期間と位置づけているといい、広報コミュニケーション部の楠本淳部長は「釜石や花園で指摘された問題点を改善し、来場者が安全に楽しく観戦できるようにしていきたい」と述べた。