浪速風

鉄は熱いうちに…医師に転身、坂井秀至八段

坂井秀至八段=2016年11月、大阪市
坂井秀至八段=2016年11月、大阪市

高校時代、将棋や囲碁を学ぶ棋道部にいて、先輩に囲碁に力を入れろとアドバイスされた。将棋は王将を取られるので負けると屈辱的だが、囲碁は何目か負けた程度の勝ち負けなので、それほど悔しくないという理由だ。「社会人になって接待に使えるのは絶対、囲碁やで」

▶布石を打つという言葉があるように、打つ囲碁は指す将棋より何となく戦略的だとは、そのころから思っていた。無期限休場して医師に転身する囲碁棋士、坂井秀至(ひでゆき)八段のニュースでますます、その感を強くした。46歳での決断である。

▶もともと、京大医学部卒業で医師免許を持っていた。付属病院での勤務も決まっていたが、世界アマ囲碁選手権で優勝したことでプロ入りした。18年間で547勝283敗1引き分け。碁聖のタイトルも取ったが、最近勝てなくなり、20年、30年単位で人生を考えて判断したという。人生100年時代を実りあるものにする力はおそらく、10代でできるのだろう。