20歳の橋岡が男子走り幅跳びの日本記録を27年ぶりに塗り替えると、その直後に今度は24歳の城山がさらなる大ジャンプをみせた。城山は自己ベストも一気に39センチ更新。「(今後も)しっかりと好記録を出せるように続けていきたい」と謙虚な姿勢をみせた。
驚異の大ジャンプが飛び出したのは3回目の跳躍。力強い助走からリラックスして踏み切った城山は8メートルを大幅に超えた地点に着地した。表示された記録は8メートル40。予想外の大記録に本人も驚きを隠せなかった。
陸上競技を始めたのは小学4年生のとき。「跳ぶのが好きだった」と高校からは走り幅跳びに専念してきた。今季は7月にベルギーで行われた国際大会で追い風参考ながら8メートル32をマーク。「パワーとスピードが上がってきた」と手応えをつかんで今大会に挑んだ。
この日は目の前で、日本選手権覇者の橋岡が1回目の跳躍から従来の日本記録を上回る8メートル32をマーク。「自分も跳びたい」と強い気持ちで臨んだ3回目の跳躍だった。
8メートル40は今季の世界ランク2位の記録。今秋の世界選手権(ドーハ)代表に内定すれば、メダル争いにも期待が高まる。一躍スターダムに躍り出た24歳のシンデレラボーイは「(日本記録の)実感はないが、世界選手権は目指したい」とさらなる高みを見つめていた。(宇山友明)