バドミントンの世界選手権は19日、スイス・バーゼルで開幕する。東京五輪の出場権をかけて来年4月末まで行われる代表選考「五輪レース」の中でも、格付けが最も高く、各国選手が高ポイントを狙って出場する。日本は全種目でメダル獲得が期待され、特に日本勢がメダルの色を争う女子ダブルスは激戦が必至だ。(久保まりな)
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女子ダブルスは世界ランキングのトップ3を日本のペアが占め、東京五輪に出場できる1国2組の座をめぐって熾烈(しれつ)な戦いを繰り広げている。
昨年の前回大会は4組が出場し、4強に3組が入るなどお家芸としての底力を見せつけた。初出場だった永原和可那(わかな)、松本麻佑組(北都銀行)は、下馬評を覆して初優勝。現在は世界1位と成長著しい。
前回は挑戦者、今回は女王と立場は異なるが、永原は「初心を忘れずに、自分たちの力を信じて頑張りたい」と2連覇を目指す。
世界3位の福島由紀、広田彩(さや)花(か)組(アメリカンベイプ岐阜)は、7月のインドネシア・オープンで優勝するなど安定感が光る。世界選手権は2大会連続で銀メダル。広田は「金メダルを狙いたい気持ちもある。ただ、1つずつ勝ち上がりたい」と冷静だ。
リオデジャネイロ五輪金の高橋礼華、松友美佐紀組(日本ユニシス)は現在世界2位につけ、好調をキープ。初優勝を狙う。同8位の田中志穂、米元小春組(北都銀行)は今大会を浮上のきっかけにしたい。
順当にいけば、高橋・松友組と福島・広田組が準決勝で対戦。その勝者が決勝で、永原・松本組と金メダルを争う可能性は低くない。世界選手権は、4月29日から始まった「五輪レース」前半戦の山場。タイトルをつかみ取ったペアが、東京五輪に大きく近づく。