15歳の森がリードで3位 将来が楽しみな若手クライマー

 気力で壁にへばりつき、女子リードの銅メダルをもぎ取った。「リードはミスが許されない種目。(力を)出し切ることができた」と、森はホッとした表情を浮かべた。

 持久力を高めるトレーニングが生きた。難しいコースを登った後、あえて休息を取らずに簡単なルートを連続で登った。「簡単なルートでも落ちるくらいに追い込んで、メンタルを鍛えた」。

 この日の決勝は、中盤で「足の(置く)位置を間違えた」と時間を費やして体力を消耗。到達した5手前から限界を迎えていたが「一手でも多く伸ばしたいと、ぎりぎりまで頑張った」。世界の舞台で粘りを見せた。

 父親の影響で6歳ごろから、競技を始めた。12歳で出場した2016年のリードのジャパンカップで優勝を果たすなど、早くに頭角を現した。今季からはワールドカップ(W杯)にも参戦。7月のW杯ビラール大会のリードでは3位に入っている。

 初めての世界選手権で日本選手史上、最年少の表彰台に立った15歳は「あと一手伸びていれば2位だった。悔しさ70%、うれしさ30%」と満足はしていない。スポーツクライミングは24年パリ五輪でも実施の見込み。今後の成長が楽しみだ。(神田さやか)

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