【北京=藤本欣也】中国の特別行政区であるマカオの行政長官選挙が今月25日に行われる。立候補者は立法会(議会)議長などを務めた親中派の賀一誠氏(62)だけで、当選は確実だ。近隣の香港では中国への抗議デモが激化しているが、マカオにその影響は及ばず無風選挙となった。
マカオは約30平方キロの狭い土地に約65万人が暮らす。1999年、ポルトガルから中国に主権返還された。香港同様、「一国二制度」が適用され、高度な自治が保障されている。
マカオ政府のトップが行政長官で任期は5年。これまでの20年間、いずれも親中派が務めてきた。現職の崔世安氏の任期は今年12月まで。
行政長官選に立候補するにはまず、各界代表で構成する選挙委員会(定数400)の66人以上の委員の推薦が必要。選挙委員は親中派で占められ、事実上、親中派の人物しか立候補できない仕組みとなっている。賀氏は400人中、94%の379人の推薦を得た。25日、選挙委員による投票が行われ、過半数の票で当選が決まる。