埼玉知事選 真夏の決戦

不出馬にちらつく上田知事の影

 「病を押してでも立候補したいが、選挙戦を戦い抜ける状況にない。無念」

 知事選への不出馬について、こんなコメントを出した行田邦子氏。行田氏の秘書によると、本人は最後まで出馬意欲を持っていたという。

 行田氏の出馬断念には、大野元裕氏を全面的に支援する上田清司知事サイドの影がちらつく。さいたま市内で6日に開いた後援会幹部や支援者らの会合で、体調不良の行田氏の将来を案じて、出馬断念を促す方針を決めた。

 実は行田陣営には上田知事の支援者が多く含まれており、自民党県連の幹部は「上田氏に近い支援者らが出馬断念を主導したのではないか」とみている。

 その背景には、各陣営の情勢調査の結果が影響している。自民党と公明党が推薦する青島健太氏、上田知事が支援する大野氏、行田氏の3陣営が実施した調査で、いずれも行田氏と2氏は差が開いていた。

 告示が迫り、厳しい情勢の中で上田知事に近い支援者らは行田氏に出馬断念を促していたという。行田氏の秘書も「票を分散させないため、大野陣営から水面下で出馬断念の話が来ていた」と明かす。

 県政関係者の間でも、さまざまな臆測が流れている。自民党の関係者からは「さいたま市長選や川口市長選、衆院選の支援を大野陣営と取引したのではないか」との声も出ている。

 行田氏の出馬断念について、上田知事は周辺に関与を否定しているという。その真相は、まずは行田氏自身からの説明が待たれるところだ。(黄金崎元、竹之内秀介)

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