安倍晋三首相は7日午前、エスパー米国防長官と首相官邸で会談した。エスパー氏は米国との対立が深刻化する中国について、「軍事的行動や、計算した上での略奪的な経済的行動が、われわれが守ろうとしている国際的なルールを脅かしている」と批判した。
首相は「日米同盟をさらに強化し、『自由で開かれたインド太平洋』の実現に向けて協力を続けたい」と述べた。北朝鮮が繰り返す短距離ミサイル発射についても、日米両国で連携して対処する必要性を確認したとみられる。
エスパー氏は「日本が(北朝鮮による)拉致問題を解決することをわれわれは支持している」とも述べ、引き続き拉致問題で協力する意向を示した。
エスパー氏は会談に先立ち、米国が中東・ホルムズ海峡での航行の安全確保に向け、同盟国などに参加を呼びかけている「有志連合」構想について、同行記者団に「日本が真剣に検討すべきことだ」と述べた。安倍首相との会談で参加を直接求めた可能性もある。
エスパー氏はこの後、岩屋毅防衛相と防衛省で会談し、両氏は宇宙やサイバー空間など新たな領域での協力も確認する方針だ。