軍事ワールド

イランの軍事機密が丸裸に 上空を突っ切ったのは米軍ではなく… 

 だがステルス機なら、従来のF-15やF-16といった非ステルス機よりも遙かに容易に、深く侵入できる。実際にはF-35はシリアとレバノンの上空を突っ切ったとの報道もある。

 そしてイランの核開発を阻止する存在が、米国でなければならない理由はない。米国の立場では「核関連の荒事はイスラエルがやってくれる」と踏んでいる可能性を否定できないのだ。

 イスラエルがシリア原子炉への空爆を公式に認めたのは、攻撃から10年以上もたった18年3月21日。イランの上空をF-35が我が物顔に飛び回ってから、わずか1カ月後のことだ。タイミングを考えれば、「これ以上の核開発は許さない」との警告と取るのが妥当だろう。

 ただ、イランはイスラエルを射程(約2000キロ)に収める中距離弾道ミサイル「シャハーブ3」を保有している。一方のイスラエルは、短距離のロケット弾などを迎撃する「アイアンドーム」から、長距離弾道ミサイルを迎撃する「アロー3」まで、4種のミサイル防衛網を構築しているが、シリア領内やイラク領内でイランの支援を受けて活動しているとされるイスラム教シーア派系武装組織ヒズボラの分遣隊など武装組織の攻撃に手を焼いているのも事実だ。

 米とイランの対立に加え、タンカーを拿捕された英国、シリアで勢力を拡張するロシアや大小の武装組織まで巻き込んだ中東情勢下では、従来のようにイスラエルによる核施設の爆撃で域内の危機を回避するのは、容易ではなさそうだ。

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