朝晴れエッセー

幸せって?・8月5日

夫が脱サラして農業従事者になり、10年がたった。現金収入の必要性があり、私は専業主婦を卒業し、兼業主婦となった。今、仕事を掛け持ちしている。午前の仕事が終わり、家に戻り、夕食の準備をして、次の職場に行く。1日休めるのは日曜日。

毎日、時間に追われ、精神的にも体力的にも疲れていたある日。私は夫に言った。「疲れて、もう働きたくないです。仕事を辞めたいです」。夫は笑顔でこう言った。「大丈夫、安心して。長いこと、宝くじを買い続けているから、もうそろそろ当たってもいいころだと思うよ。そうしたら仕事は辞められるから。それまでの辛抱だよ」

「なんだあ、それじゃあ一生働けってことジャン」と、私。あきれてしまって、怒るどころか、笑ってしまった。

ある日、娘の1人が、「かあか(私の呼び名)の幸せってなあに」と聞いた。はて?なんだろうと改めて考えた。夫が出掛けるときに私は窓から手を振る、そして夫も手を振りかえしてくれる。ある日、ベランダから手を振っていたら、曲がり角の前で、夫が気が付き再度手を振りかえしてくれた。心がほっこりして笑顔になった。その後もふふふっとひとりで笑っていた。「幸せかあ、かあかは、笑えることだと思うよ」と娘に答えた。

職場でも、いろんなことがあるけど、仲間たちと同じ場所で同じ時間で大笑いしながら汗水流しながら働いている。だから、今、大変だけど私は幸せなんだ。きっと。

でも、やっぱり宝くじ当たってほしいなあ。

中山 久恵 54 神奈川県大和市