108人が犠牲、岡山「恐怖の用水路」の実態

 事故を招く「岡山の用水路」で特徴的なケースは道路と並行していながら柵がなく、増水すれば地面との境界が不明確になる点だ。

 岡山市内の女子学生(21)は「今更見ても驚かないが、やはり他県から車の人を呼びにくい」と話す。60代の男性は「地元に長年いても、増水した場合に境目が分からないこともある」と明かす。

 別の30代の女性会社員は「以前、姉が夜道を歩いていたとき、車の男にナンパをされた。用水路わきで車を寄せられて逃げ場がなく、怖い思いをしたそうだ」と意外な形で、不便を強いられたケースを話した。

事故予防策を検討

 長年、半ば放置されていた用水路事故だが、25年全国でワースト1位となり、小学生が被害に遭う事故があったことから岡山県では本格的な調査を開始。28年には警察や消防と連携する形での「用水路等転落事故防止対策検討会議」を開催した。

 会議では、25年以前は転落事故について詳細な統計が取られていなかったことが判明。また、用水路の数が多く、柵や照明を広く設置することが費用面で困難なことや、用水路の清掃活動には柵が邪魔になり地元が難色を示す例があるなど、課題も浮き彫りになった。

 県などは昨年3月、用水路の形状、位置どりや地域の事情ごとに、それぞれ適切な予防策を講じていく「用水路等転落事故対策ガイドライン」の策定に着手。原本はすでに作ったが、2年間の事故調書を収集、分析して完成させる考え。あわせて段階的に、簡易柵や、太陽光発電式のLED照明で道と用水路の境目を示す設備の設置など、低コストな予防策も進める。

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