朝晴れエッセー

キャプテンとしてやれること・8月1日

昨夏、2年生で夏の大会のメンバーに選ばれた。みんなの思いを背負って臨んだ試合。結果は4回戦で兵庫工業高校に6対8で敗退。瞬間、何が起こっているのかわからなかった。先輩たちが泣き崩れている姿に初めて「もうこの人たちと野球ができないんだ」と実感し涙があふれてきた。

現実は厳しく、その時から自分たちの代が始まる。翌日、全部員が呼び出されチームの軸となる三役が監督から発表された。キャプテンとして自分の名前が呼ばれた。

つらかったのは前キャプテンと比較されることだった。試合に出場する機会は少ないが、ベンチで声を出し盛り上げるタイプ。自分はプレーで引っ張るタイプ。理想のキャプテン像に父をイメージした。高校時代、松山商業でキャプテンとして夏の甲子園準優勝に導いた父が、自分と同じタイプだったから。

夏の予選を2カ月前に控えた5月、手首を疲労骨折して試合に出られなくなった。ずっとスターティングメンバーとして出場していた自分は、ベンチで声を出す大変さに初めて気づいた。実は父も高校時代、秋に一度キャプテンを辞めさせられていた。春に再び任命されるまで、声出しや裏方などプレー以外の面でチームを支えることを学んだという。

最後の夏の大会が迫ってきている。明日午後1時、第101回大会兵庫県抽選会が明石市民会館である。キャプテンとして、部員全員と去年の先輩たちの思いも背負ってクジを引く。手首は間に合うかどうか分からない。でも声出しや裏方など、できる限りの責任を全うするつもりだ。キャプテンとして。

水口登間 高校生 17 兵庫県西宮市