「W杯の経験を人生に生かしたい」 脊髄損傷の大学生、ラグビーW杯ボランティアに車いすで参加

 直馬さんは体操や卓球、ハンドボールの経験はあるが、ラグビーはテレビで見る程度。それでも「W杯には障害がある人も観戦にくるはず。ボランティアとして同じ目線で接し、気持ちよく観戦してもらえたら」という。真理子さんも、「周囲からお世話してもらう立場の直馬が、自分から外へ出てボランティアをすると言う。こんなうれしいことはない。一緒にボランティアをやり遂げたい」と話す。

 今は親子で開幕が待ちきれない。「将来は車いすラグビーに挑戦したい」。直馬さんは、そんな意欲も見せている。

 ■W杯ボランティアは全国で1万3000人

 ラグビーW杯は花園ラグビー場をはじめ全国12会場で行われる。大会組織委員会は昨年4~7月、開催期間中に活動するボランティアを募集。約3万8千人の応募があり、全国で約1万3千人、花園では約900人が採用された。

 組織委員会大阪・東大阪地域支部によると、採用はコンピューターで無作為による抽選。西尾さん親子が採用されたのは「偶然」(同支部関係者)という。全国では直馬さんのように車いすを必要とする人のほか、聴覚障害や上肢切断といった障害がある人たちもボランティアに参加する予定だ。

 ボランティアが取り組む活動は、周辺駅から会場への来場者の誘導やスタジアム内での大会関係者のサポート、VIPへのおもてなし、メディア対応など。採用者は今年2月から、ラグビーのルールやW杯の歴史などを学ぶ「eラーニング」を体験。7月に来場者誘導の研修が行われ、8月には実地研修が予定されている。

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