【ソウルから 倭人の眼】うろたえやまぬ韓国 日本の「次の手」に戦々恐々(1/2ページ) - 産経ニュース

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ソウルから 倭人の眼

うろたえやまぬ韓国 日本の「次の手」に戦々恐々

韓国が連日、「日本、日本」と騒がしい。日本政府による韓国向け半導体材料の輸出管理厳格化への反応だ。衝撃、動揺、反発、不安感。さまざまな感情が交錯しながら1カ月近く続いている韓国の社会現象からは、当地での日本の影響力を感じさせられる。同時に、日本に対する韓国独特の姿が日々、嫌なほど目に入ってくる。

(ソウル 名村隆寛)

前代未聞の反応

日本の輸出管理の強化が発表された7月1日、韓国では、前日に北朝鮮との軍事境界線がある板門店(パンムンジョム)で初めて行われた歴史的な米朝首脳会談のニュースも一気に吹き飛んだ。まさに驚き、狼狽一色。韓国に複数回駐在し、社会を長年ながめてきたが、これまで感じたことがない雰囲気だ。

北朝鮮による核実験や長距離弾道ミサイル発射の比ではない。その衝撃は月が変わろうとする現在も続いている。

日本による管理強化対象は、フッ化水素など半導体の製造に欠かせない3品目。半導体は韓国の輸出の20%余りを占め、事実上、半導体頼りの韓国経済には想像を絶する大打撃のようだ。メディアは連日、トップニュースで日本の措置を報道。韓国社会がこれほど慌て右往左往している様子に、韓国が感じている事態の重大さを思った。

日本は意地悪?

日本の措置を韓国は官民あげて「経済報復」とみなしている。いわゆる徴用工訴訟で韓国最高裁が昨年10月末、日本企業に賠償を命じる確定判決を出したことへの「報復」というのだ。

韓国メディアはこぞって「非常識」「稚拙」「時代錯誤」「意地が悪い」などと日本批判を続けた。日本政府は「安全保障」が理由だと説明しているのだが、韓国では誰もそのように解釈しない。それどころか、当初「制裁」を示唆していた日本が「いつの間にか安保問題にすり替えた」という主張が横行している。

日本の措置が「報復」であるにしても、韓国ではこれに警鐘を鳴らす「報復警戒論」は、財界やメディアから何度も出ていた。「三権分立の尊重」を理由に、日本と約束した政府の対応策さえ出さない文在寅(ムン・ジェイン)政権に対し、財界関係者などからは「そら見ろ」といった冷ややかな声が多く聞かれた。

また問題丸投げ

予期されていたことが現実となり、慌てふためく韓国政府の姿を嘆く者もいた。「日本が徴用工問題で報復に出た」とみなしているのなら、「報復」を解くために、日本政府との話し合いに応じるなり、日韓請求権協定を守って元徴用工を名乗る裁判での原告らに韓国政府が金を支払うなりしてみればどうか。その結果、日本の措置が解ければ「報復論」は間違っていないことになる。

しかし、韓国政府は6月19日に「韓日両国企業が自発的な拠出金で財源を作り、原告に慰謝料を支給する方式を日本側が受け入れる場合、日本政府が要請している2国間協議の手続きを検討する用意がある」(韓国外務省)と発表したことを「政府の対応策」と主張し、譲らない。苦し紛れの末の行いで、対応策になっていない。日本には通じるとの思い込みからの、いつもの問題丸投げだ。