富士山登山鉄道、事業主体も議論 「このままの構想で山梨県がやるなら金融機関は貸さない」

富士山登山鉄道について議論する有識者たち。手前は山梨県の長崎幸太郎知事=29日、東京・平河町の都道府県会館(渡辺浩撮影)
富士山登山鉄道について議論する有識者たち。手前は山梨県の長崎幸太郎知事=29日、東京・平河町の都道府県会館(渡辺浩撮影)

 富士山の山梨県側の麓と5合目を結ぶ「富士山登山鉄道」の基本構想をまとめる山梨県の有識者検討会(会長・御手洗冨士夫経団連名誉会長)が29日発足し、東京都内で理事会が開かれた。県が当初想定していなかった建設や営業などの事業主体についても今後議論されることになった。

 富士山登山鉄道は長崎幸太郎知事が1月の知事選で「構想の検討」を公約にしていた。検討にあたって県は、事業主体については踏み込まないとしていた。

 理事会で、甲府市出身の清水喜彦SMBC日興証券社長が「このままの構想で県が(単独で)やるとしたら金融機関は一切金を貸さない。収支がとれない。山梨中央銀行に言っても無理」と述べ、採算性を計画に盛り込むよう求めた。

 「雪崩や地滑り、火砕流を防ぐ施設には莫大(ばくだい)な費用がかかる」(宮田年耕首都高速道路社長)、「インフラ整備はある程度公的な支援が必要」(岩村敬・元国土交通事務次官)などと事業主体に関する発言が相次いだ。

 長崎知事は理事会終了後、記者団に「富士山登山鉄道の実現可能性があるかどうかを議論した上での事業主体だと思っていたが、それ(事業主体)も含めての実現可能性ということなら、その通りかと思う」と語り、事業主体についても検討課題にするとした。

 次回理事会は10月に開き、富士山の現地視察を行う予定だ。県は来年中に基本構想をとりまとめたいとしている。

 検討会の主なメンバーは次の通り。

 【会長】御手洗冨士夫(経団連名誉会長)【顧問】小林喜光(三菱ケミカルホールディングス会長)▽日枝久(フジサンケイグループ代表)▽森田実(政治評論家)▽横内正明(元山梨県知事)【理事長】山東昭子(元参院副議長)【理事】青柳正規(富士山世界遺産国民会議理事長、元文化庁長官)▽松浦晃一郎(元国連教育科学文化機関=ユネスコ=事務局長)▽岩村敬(元国土交通事務次官)▽清水喜彦(SMBC日興証券社長)▽島田晴雄(首都大学東京理事長)▽宮田年耕(首都高速道路社長)▽喜勢陽一(JR東日本常務)▽藤井敏嗣(山梨県富士山科学研究所所長、元火山噴火予知連絡会会長)▽小田全宏(日本政策フロンティア理事長)▽デービッド・アトキンソン(小西美術工芸社社長)▽高橋誠一(全国賃貸管理ビジネス協会会長)▽平林良仁(河口湖オルゴールの森美術館代表)▽太田孝昭(OAGグループ代表)

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