令和の親父キラー 新型「カタナ」大人気の理由を試乗で探る

 まず、またがって受けた印象は「乗りやすい」の一言に尽きる。昭和末期のレーサーレプリカでは、バイクに覆い被さるような前傾姿勢が辛かった。初代カタナでもこの傾向があったが、スズキ二輪の村上茂広報宣伝部長によると「バーハンドルに加え、ハンドルとシートの位置を近づけた」ことで、積極的なコントロールが可能になった。

 750CC版で「耕運機ハンドル」と揶揄(やゆ)されたバーハンドルは、当時禁止だったセパハンへの憧れの裏返しでもあったが、セパハンが珍しくなくなった今となっては、乗り味の方が重視されるのも自然な流れだろう。村上部長は「バーハンドルは設計段階から議論したところ。最適なポジションを試行錯誤していきました。専門誌向けの試乗会でも『のりやすい』、『とっつきやすい』といった評価をいただいています」という。

 足つきは身長172センチの筆者で「つま先」だが、重心が低いからだろうか、立ちゴケしそうな不安感はなく、腰をずらして片足をべったりつけても不安感はない。この安心感は走り出しても維持された。シフトのがっちり感と加速の力強さは、さすが最新の大型二輪。なかでも出だしのスムーズさに驚いたが、これはスロットルワイヤを巻くアクセルグリップの軸を楕円(だえん)にすることで、発信時の急加速を低減するもの。同様に、ギアダウン時の過度なエンジンブレーキによるショックを抑制する「スリッパークラッチ」も乗ってすぐに効果が感じられる部分だ。こういったメカトロニクスは、さすが日本の老舗メーカーといえる。

性能は隔世の感

 こうした乗りやすさもあって、大型二輪に乗っているという緊張感は感じられないが、搭載するエンジンは「ベースは2005-8年のスーパースポーツ、GSX-R1000のもの。レーサーのベースにするサーキット用のエンジンがベースです。街中で走ることを考え扱いやすくしていますが、排気音を含めスポーティーな乗り味を実現しました」と村上部長。特にロングストロークによる低中速度域でのトルクの太さが、街乗りで生かされる。