「消費税は社会保障財源」「国民に理解求める」岡本薫明財務次官インタビュー

インタビューに応じる岡本薫明事務次官
インタビューに応じる岡本薫明事務次官

 5日付で留任し、異例の2期目に入った財務省の岡本薫明(しげあき)事務次官が26日、産経新聞のインタビューに応じ、10月予定の消費税税率10%への引き上げに関し「増収分もすべて社会保障の財源にあてられる」と意義を強調した。公文書改竄(かいざん)などの不祥事を受けた組織改革も「継続的な取り組みを進めていく」とした。

 平成24年に決まった「社会保障と税の一体改革」では、消費税率の5%から10%への段階的引き上げの目的は医療、介護の財源確保といった社会保障に限るものとされている。

 ただ、消費税増税をめぐる論戦は景気への悪影響などが中心で、社会保障への貢献は注目度が高くない。岡本氏は消費税増税について「各種の世論調査で『(増税には)納得いかない』という答えがまだある」と指摘。各地の財務局、国税局や財務省幹部らが説明するなど、「理解してもらえるよう、さらにきめ細かく努力する」と述べた。

 また岡本氏は、社会保障給付費は保険料や税金で賄っているが、足りずに国債が発行されていることを踏まえ、「結果的に将来世代の負担で今の社会給付をまかなっている」と説明。バランスのとれた持続可能な仕組みに変える一環として、現在の受給者も負担する消費税の重要性を訴えた。

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