自民公募制度の見直し必要 面接や論文で人物見抜けぬ

 自民党の石崎徹衆院議員のパワハラ問題は、石崎氏を選んだ候補者公募のあり方にも波紋を広げている。公募は、世襲政治家のような「地盤・看板」に頼らずに政治家への道を開く一方、選考過程で人格まで見抜くことが難しい。党幹部は、公募で選ばれた議員に不祥事が相次いでいることを受け「制度の見直しを検討する」と語る。

 「公の場に姿を見せず説明責任を果たしていない。石崎さんでは次期衆院選を戦えない」

 党新潟県連の小野峯生幹事長は26日、石崎氏の処分を求める文書を萩生田光一幹事長代行に手渡した後、厳しい表情でこう訴えた。

 自民党の公募制度は、世襲批判の高まりを受け、平成16年から本格的に導入された。同年の衆院埼玉8区補欠選挙では、党所属議員だった前職が公職選挙法違反事件で起訴されたことを受け、当時の安倍晋三幹事長が「党改革」の一環として公募に踏み切った。

 若手起業家などの応募も多く、このとき選ばれたのが柴山昌彦文部科学相だ。

 石崎氏は自民党が政権復帰を目指した24年の衆院選で、新潟1区の公募で候補者に選ばれ、最年少の28歳で当選。最近は児童虐待罪の創設を目指して若手の勉強会を立ち上げるなど、精力的に活動していた。

 同じ選挙で初当選した新人議員には、不倫を認めて議員辞職した宮崎謙介氏や、秘書への暴行などで29年衆院選で落選した豊田真由子氏らがいる。不祥事が相次ぎ「魔の3回生」とも呼ばれる。宮崎、豊田両氏も公募で候補者となった。

 公募では、応募者が書類審査と論文、面接でふるいにかけられる。

 「応募者の多くは一流大学を卒業し、経歴はピカピカ。論文も党の政策を研究した上で練り上げられており申し分ない」。党幹部は論文や面接のみで人を見抜く難しさに頭をかかえる。

 なかには、理念や政策の異なる複数の政党に応募する者もいる。選挙に関わる党幹部は「人物像を見るため、候補を絞り込む前に一定期間、研修を受けさせるなど見直しが必要だ」と話している。(長嶋雅子、今仲信博)

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