【ワシントン=塩原永久】複数の米メディアは23日、米中両政府が閣僚級の貿易協議を来週、中国・上海で開く方向で検討していると報じた。協議再開で合意した6月下旬の首脳会談後、米中は2度の電話協議をしたが、対面交渉は初めて。米制裁関税の扱いなど対立点が多い中、今後の協議方針で双方が一致点を見いだせるかが注目される。
大阪市での首脳会談後、両政府は電話協議を経て対面交渉の本格的な再開を探ってきた。
ブルームバーグ通信によると、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が29~31日の日程で上海を訪れる方向で調整。中国側は劉鶴副首相に加え、貿易問題をめぐる厳しい姿勢で知られる鍾山商務相も参加する見通しという。
米国側からはムニューシン財務長官も同席する可能性がある。
クドロー米国家経済会議委員長は23日、「中国がただちに米農産品の購入を始めると強く望む」と記者団に語った。閣僚協議で米政府は、中国による貿易不均衡の是正策のほか、知的財産権保護をはじめとする構造改革を迫る方針だ。
一方、中国は米国が中国産品に課した制裁関税の撤廃・削減を要求。中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)への禁輸緩和に向けた具体的な対応も米国側に求めるとみられる。