虎番疾風録

主砲・掛布、まさかの負傷 其の参25

虎番疾風録 其の参24

ルーキー岡田の起用問題で、報道陣とブレイザー監督との“意見の相違”は決定的となった。岡田が「代打」で起用されるのはいつも負け試合。リードしている展開では、まったく使おうとしない。

「戦力としてブレイザーの計算には入ってないんやろ」と平本先輩が指摘したとおりの扱いである。しかも、試合後の会見で起用について質問すると、露骨にイヤな顔つきになった。

4月18日、後楽園球場で巨人1回戦が行われた。昭和55年シーズン初めての〝伝統の一戦〟である。巨人の先発は新浦。阪神は小林。試合はまさかの展開に…。

◇4月18日 後楽園球場

阪神 000 010 033=7

巨人 024 131 00×=11

(勝)新浦1勝 (敗)小林1勝1敗

(本)王(5)(小林)、中畑(4)(鈴木弘)、 真弓(1)(新浦)

エース小林がわずか44球でKOされたのである。二回には先頭の王に初球を右翼へ叩き込まれた。昨シーズン、王との対戦は20打数3安打1打点、4奪三振。間違っても初球からフルスイングされるような投球はしなかった。「タイミングを外すことすらできなかった…」と小林は肩を落として降板。開幕前から心配されていた「右ひじ痛」の後遺症が大きく影響していた。

暗く沈んだ阪神ベンチ。1-10と一方的な展開となった六回、四球で出塁した掛布が続くラインバックの中前安打で二塁ベースを回った。その直後だ。「ダメです」と苦痛の表情で、左足を引きずりながらベンチへ戻ってきた。掛布はそのまま座り込んだ。

「ヒザをひねったみたいです。これから念のためレントゲンを撮りにいきます」。トレーナーの声がうわずっていた。すぐさまタクシーで球場近くの病院へ向かう。筆者も各社の先輩記者たちとタクシーで追いかけた。

予期せぬ主砲の負傷―初めての病院取材。緊張で体が震えた。

「どうしてなったのか、いつやったのか分からないんです。二塁ベースを回って戻ったときに急に左足がしびれて、まったく力が入らなくなった」

病院での所見は「左足関節部捻挫」で全治1週間。21日に遠征先の横浜で、改めて精密検査を受けることになった。〈全治1週間なら…〉先輩たちの後ろで少しホッとした。(敬称略)

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