2横綱と下位の実力差浮き彫り 対抗馬見えず

【大相撲七月場所】千秋楽、協会挨拶を行った八角理事長(中央)。右は白鵬、左は鶴竜=ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)(撮影・門井聡)
【大相撲七月場所】千秋楽、協会挨拶を行った八角理事長(中央)。右は白鵬、左は鶴竜=ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)(撮影・門井聡)

 21日に千秋楽を迎えた大相撲名古屋場所は、年齢を重ね経験豊富な2横綱と、下位力士の実力差が浮き彫りになった15日間だった。33歳の鶴竜は場所前に腰を痛めて初日を迎えた。34歳の白鵬は右上腕の負傷で先場所を全休した。それでも結果は2人の一騎打ちだった。

 昨夏の名古屋場所以降、御嶽海、貴景勝、朝乃山と若い力士が初優勝を遂げた。いずれの場所も白鵬は休場し、鶴竜も朝乃山が優勝した先場所を除き休場。3人とも横綱との直接対決がないままで賜杯を抱いた。

 横綱側にも、時代は譲らない気概があった。優勝した鶴竜は22日の一夜明け会見で、「いずれは若手が出てきて世代交代していくもの。ただ、チャンスを与えてしまった自分に横綱として悔しいという思いがあった」と、奮起につなげたことを明かした。

 東京・両国国技館で開かれた22日の横綱審議委員会で、矢野弘典委員長は「上に立つ者が意地を示し、下から上がってくる者の壁になるのは相撲界を発展させるもとになる」と両横綱を評価。一方、横綱を追うべき4大関の休場には「自覚を持ってやってほしい」と苦言を呈した。

 期待が大きい22歳の貴景勝は、右膝の負傷で関脇への陥落が決まった。現状では横綱を脅かす存在は見えてこない。両横綱に次の世代が引導を渡す日は、まだ先になりそうだ。(浜田慎太郎)

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