朝晴れエッセー

悪夢・7月21日

夢を見た。これで3度目。内容は微妙に違うが怖い夢だった。目が覚めるとじっとり汗が身体にまとわりついている。

私は高校で国語を教え、15年前に退職した。在職時代、定期・実力と試験問題をどれほど作ったろう。就職したころはまだガリ版で、原紙に鉄筆で書いていた。時間がかかるので、試験前の土曜、日曜はそれにあて万全を期した。もちろん、それ以後も作成に遺漏はなかった。

ところが、夢では試験当日に問題ができていないのである。日程を勘違いしたか、作成していない。教務の係が「先生、問題がボックスにありませんが」と聞いてきてはじめて、「え、今日でしたっけ」と答え、頭が真っ白になる。

あと1時間半だ。試験は。どうしよう、どうしようと思案するが妙案は浮かばない。試験範囲は事前に通告している。まさか、「作文」でごまかすというわけにも。が、背に腹は代えられない。それで切り抜けようと思う。しかし、今度はテーマを何にしようと悩む。

「うーん、うーん」とうなっていたのであろう、「お父さん、お父さん」と妻が私をのぞき込んでいるところで目が覚めた。それでこれが夢だと知り、正直ほっとしたのだった。が、もし起こされていなかったらどんな結末になっていただろう。

私は、夢のメカニズムが知りたい。現役のころ、試験問題を期日に一度も遅れたことがなかったのに。

安達 郁雄 79 農業 大分県国東市