わずか2分で決着 リオ五輪銀の太田、63キロ級で世界代表に

 レスリングの世界選手権(9月・カザフスタン)代表選考プレーオフは21日、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで非五輪実施階級の男女計11階級が行われ、男子グレコローマンスタイル63キロ級は2016年リオデジャネイロ五輪59キロ級銀メダリストの太田忍(ALSOK)が山田義起(日体大)に11-0でテクニカルフォール勝ちし、代表入りを決めた。これで五輪実施階級を含め世界選手権の代表30人が出そろった。

 太田がわずか2分で決着をつけた。試合中に両目のコンタクトレンズが外れたが、「目が見えなくても体を触ればレスリングはできる」とその後も投げ技を連発。「最低限の試合内容」と余裕たっぷりに話した。

 60キロ級で東京五輪出場を目指しているが、6月の全日本選抜選手権で文田健一郎(ミキハウス)に敗れて世界選手権代表入りを逃し、当面の目標を63キロ級での世界選手権出場に切り替えた。ただ世界選手権で文田がメダルを獲得すれば、60キロ級の東京五輪代表に決まってしまう。だが、太田は「その結果をただ待つことはできない。63キロ級で世界選手権を目指す過程が、東京五輪に向けた一番の準備になる」と強調する。

 リオ五輪で銀メダルに終わり、「東京五輪で金メダルを取るという思いは誰よりも強い。チャンスがある限り、最大限準備したい」と太田。夢を諦めることなく、牙を研ぎ続ける。(岡野祐己)

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