政界徒然草

自民入りした長島昭久氏 菅長官が誘導 苦渋の選挙区返上 

長島氏はその頃、首相官邸の幹部に、自民党と憲法改正で共闘できないか相談していた。同党は昨年5月に分党し、長島氏は無所属となった。

新天地は自民党

長島氏が自民党入りに向けたプロセスを踏み出したのは昨年12月。交渉相手は菅義偉官房長官だった。

両氏の距離が縮まったきっかけは、2016年11月の米大統領選だった。当時は民主党のヒラリー・クリントン元国務長官の当選が有力視され、長島氏は後のトランプ政権で外交・安保政策の要職を務める人物を菅氏に紹介した。

長島氏は菅氏の了解を得た萩生田光一幹事長代行らと自民党入りを模索した。ただ、東京21区の自民党支部長は小田原潔衆院議員=比例東京=が務めている。当初、長島氏は小田原氏と21区で戦い、勝者が自民党公認となる主戦論を念頭に置いていたが、自民党側は受け入れなかった。

長島氏にとって転機となったのが、6月6日の衆院安全保障委員会だ。同委では、国民民主党の前原誠司元外相が岩屋毅防衛相に新たな防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」の課題などについて質問した。前原氏の質問は練られたものだったが、岩屋氏を始め官僚らもどこか白けた雰囲気に映った。

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