【書評】『千利休 「天下一」の茶人』田中仙堂著 - 産経ニュース

メインコンテンツ

書評

『千利休 「天下一」の茶人』田中仙堂著

『千利休 「天下一」の茶人』田中仙堂著
『千利休 「天下一」の茶人』田中仙堂著

 過去の利休研究の成果をふまえたうえで、利休没後の理想化された可能性のある史料は捨て、存命中の史料のみを厳選、かつ織田信長、豊臣秀吉をめぐる最新研究に目配りしつつ、歴史上の利休に迫る挑戦的著作だ。

 著者は大日本茶道学会会長の茶人にして、東大大学院博士課程で学術研究の基本を身につけた人物。政治と茶会の関係性に着目して、その変遷、すなわち秀吉と利休の関係性の変化を精緻に分析、利休の追放を「政治的な死」として位置づける。現時点において、最先端にして、もっとも誠実な利休研究の成果といえよう。(宮帯出版社・3900円+税)