健康志向の高まりや来年夏に開催される2020年東京五輪・パラリンピックの追い風を受けて、空前のフィットネスブームが続いている。トレーナーがマンツーマンで指導し、「短期間で効果が出る」とうたう「パーソナルジム(プライベートジム)」も増えているが、こうしたスポーツジムで、解約などをめぐるトラブルが急増している。背景には急速な拡大に伴うトレーナーの「質」や強引な勧誘などの問題があり、注意が必要だ。(大渡美咲)
東北地方に住む40代の男性は、通っているパーソナルジムのオーナーから、強引にサプリメント(栄養補助食品)を買わされそうになった。「以前通っていた別のジムでも、会員とトレーナー間で女性をめぐってトラブルがあった。最近、質の悪いジムが増えている気がする」と打ち明けた。
国民生活センターによると、スポーツジムやフィットネスクラブをめぐる相談件数は近年、相次いで寄せられている。多いのは、解約しようとすると不当に高額を請求されたり、男性のようにジム側から無理やり物品を売りつけられたりするケースだ。
今年に入ってから寄せられた相談では、以前受けていたパーソナルトレーナーのトレーニングをそのジムでも受けられると聞き24時間型のフィットネスジムと契約したが、契約後に「ジムの規定でジム専属のトレーナーのトレーニングしか受けることができない。6カ月間は解約できない」と言われた(60代の女性)▽高齢者向けの体操教室と契約したらサプリメント付きの月額1万5000円のコースを契約させられた。後日解約したいと申し入れたが、聞き入れてもらえなかった(70代女性)-などのケースがあった。