「若さと美しさで光り輝こう」「このクリームを塗れば関節痛や筋肉痛があっという間に消えます!」-。20世紀初頭にアメリカの新聞広告欄にあふれたラジウムの宣伝文句だ。当時、医療現場に登場したばかりのラジウムは、高血圧やリウマチ、ED(勃起不全)などあらゆる症状に効く万能薬として評判だったという。
21世紀の今、ラジウムが万能薬と思う人はいないだろうが、「何でも治る」ことをうたった商品紹介の広告やサイトはよく見かける。最悪の治療法の歴史を簡潔にまとめた本書は、インチキ療法が何かを見分けるのにも役立ちそうだ。(文芸春秋・2200円+税)